雑事~ざつごと~

てきとうにたらたら文章書いてる奴の垂れ流しやら雑記やら。

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グラン・エルダ・ステレオ

 接合性はない。足は交互に――不規則に乱れながら走っている。時速二十キロもない体たらく。この辺はどうにか改善すべきだろう。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」
 手がバラバラと跳ねる。頭と視界がぐちゃぐちゃに乱れた。思考はただいまを持って閉鎖に酷似した無意味っぷり。
「はあ、はあ、はあ」
 あらゆることが四方八方に散らばって、残ったものだけがシンプルに汲み取られる。
「はあ、はあ、はあ、ぜっ。はァ」
 好きだ。たったそれだけ。文字にして三という数。最も単純で大きな言葉がメビウスのように心を回る。
 恥ずかしいといわれるかもしれない。青春と嘲笑われるかもしれない。
「ぜ、は、ぜ。は、ぜ」
 だからどうした。それが悪いことか? だったら悪くていい。それを伝えることが恰好悪いなら、それでかまわない。恰好良さなんてかなぐり捨てちまえばいい。
 今の今まで、限界寸前タイムアップコンマ数秒前まで気づかなかった自分を呪う。いや、気づいていても決意できなかった自分を愚かしく思う。けれどもそれは後だ。走り終わってからでも遅くない。
「ぜ、ぜ、っ……ぐ、ぜ。え」
 空気が薄い。呼吸が荒い。視界が白く滲む。
 あと少し。音速で走れるのならコンマ数秒とかからぬ場所。そこにいるから。
 肺が破裂しそうだった。伸縮を繰り返して伸びきったゴムみたい。
「が、ぁ。は――、ぜ、ぐ、ぅ」
 この場所からでも声は届くのに、走るのをやめない。そうじゃない。行くまでは、声にすることすら惜しい。
 ……白いサングラスでもかけたように目の前が白い。これは危険な兆候だ。もはやレッドゾーン限界で焦げ付いている。
 見上げれば月夜空。星の瞬く時間、上がった顎を引き締めて、ラストスパートをかける。
「…………ぜ、は」
 最後の呼吸。
 あとはただ、その場所に行って言うだけ。

 破裂寸前の肺で言うだけ。
「――――――――――――」
 白色があらゆることを飲み下した。
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  1. 2007/07/11(水) 21:53:13|
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