雑事~ざつごと~

てきとうにたらたら文章書いてる奴の垂れ流しやら雑記やら。

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書くこともありませんので、オリジナル掌編でも

   かぜのたびびと

   1.森のはなし

 大きな森を歩いていた。その森はあまりにも大きくなりすぎて、葉のあいだから日の光も届かないぐらい育った巨木の群だ。樹齢何百年、何千年という木が一帯に繁り、歩く地面を少し掘れば全て根っこで出来ているのではないかと思わせる。
 大きな葉の一つ一つが枯れて地に落ち、届かぬ日に腐った柔らかな土は、足が埋まる。朽ちた木が苗床になり、枯れた葉が腐葉土になり、そうしてここまで大きくなってきた森には悪いと思うけれど、歩きにくくて仕方がない。
 暗い森の中は深く静かで、風が葉を揺らすのにそれが遠すぎてどこか現実味が薄い。感じる風は冷めていて涼しいというよりもやや寒かった。日がどこにあるのか判らないということが時の経つことを忘れさせる。
 この場所は暗い。それが少しだけ不安を煽る。
 この場所は寒い。それが少しだけ思考を研ぐ。
 この場所は広い。それが少しだけ寂寥を誘う。
「……」
 大抵、大きな森はこんなものだ。
 擦り合わされる枝葉に恐怖を覚え、体温を下げる風に脳が妙なことを考え、閉塞的で大きすぎる空間に心が弱る。
 だからこれは自身の問題だ。自分が作り出すものに自分が怯えているだけだ。
 呼吸を意図的に深くした。この緑が満ちた場所の空気は濃厚すぎて、丸ごと草を口に入れたようだった。
 不安定な地面が歩くのを辛くさせる。しかしこんなものは慣れたものなのだ、いい訳だろう。
「……」
 森はまだ続いている。今日はこの森で一日を過ごすことになるだろう。
 食べ物は持っていなかったが、この場所は森だ。鳥の一羽や二羽ぐらいならば休みにも来るだろう。あるいは、何千年と時を刻んできた森のことだ。そこら中にキツツキが家を持っていても不思議はない。
 わたしは今晩の食事を得るために、四肢の先から爪を出した。
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  1. 2007/12/24(月) 21:50:59|
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