雑事~ざつごと~

てきとうにたらたら文章書いてる奴の垂れ流しやら雑記やら。

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すっかり書いたことを忘れてた

「が――――、げ、ふ――ぁ、……う」
 肺の中身が搾り出される。いかに硬い剣で受けたとて、相殺を余る衝撃から逃れることができない。
「はっ、どうした雑種。いい加減、贋作にも飽いたか?」
 ぱちんと耳障りな指鳴りがしてギルガメッシュの背後に剣が浮かぶ。その数、十七。その全てを最速で解析し、基本骨子と構成材質だけを再現して合わせるように脳髄から搾り出しては相殺していく……とは聞こえが良すぎるか。奴のはごろごろと転がっているだけ、こっちは全て破壊されている。
「、ギ。ィ、……は、づ――」
 細胞が沸騰する。地獄の釜みたいに茹だって世界が紅い。爪が割れてじりじりと擦れている。柔らかい皮膚がぐじゃぐじゃに崩れてみっともない。それでも、血の混ざる眼球だけは奴の背後に向ける。咳が零れて石畳が血で濡れた。
「ここまでか。所詮は雑種だな、セイバーを待つ間にもならない。王の時間を取った罪、軽くは無いと思え」
 既に聴覚は埋まっている。あいつの口がなんて動こうが知りはしない。聞こえないのだから意味が無い。血溜まりの眼球でガランドウを睨みつける。蠢いた空気に眼を解析( と お )し、蕩けた脳に浮かぶ白黒の設計図へと集中する。今の俺に出来るのは、焼けつく寸前の魔術回路を動かして遠坂から魔力を貰い、投影するだけ。
「――――投影、開始(トレース   オ ン )
 目の端から、孔の開いた眼球から、指先、臓腑、歯茎、鼻腔、肋骨から血が流れている。今すぐにでも血の溜まった腹を掻っ捌いて身を軽くしたいほど気だるさは抗うのに疲れる。
 ――ネムれ。
   眠たい。
 ――ネムれ。
   眠れない。
 ――ネムれ。
   うるさい。
 ――ネムれ。
   (みみ)は塞がってるんだ、聞こえるはずが無い。
 瞬間の果し合いは二十四対二十四の剣軍。砕けた虚偽( け ん )が肌を切り裂く。
 悲鳴を上げるなんてどうかしてた。そんな余裕、どこにもあるはずが無い。
 出来ることは投影( ことば )を呟くだけだ。無駄な箇所を一つでも無くせ。でなければ、即、死に至る。
「なかなか頑張るが、既に興は殺がれた。疾く自害するのが礼儀であろう……!」
 聞こえない指鳴らしで三十八の剣が現れる。今までで最も多くの殺意が怖い。数え切れるというのに今の体では無限にも思える。
「――死ね」
 それは、たしかな裁きの言葉に違いない。なにしろその全てを投影する余裕も魔術回路もありはしないのだから。俺に出来ることは、今までで最も硬かった剣を幾重にも投影して俺の体の前に置くだけ。
 投影した剣は八本。五本目で一本が折れ、次は四つ目で砕け散る。新たに三本を投影するもその全てを防げずに三本の剣が左腕、右腿、五番と四番の左肋骨の間を貫いた。
「……………………」
 悲鳴なんて出せない。ただ、口と傷から溢れた血が石畳を濡らすだけ。
「生き汚いな。蟲のように繁栄した動物(いきもの)だけはある」
 新たに二本の剣が体を串刺しにする。右肋骨の三番と二番が砕けて左足の脛からふくらはぎまでバターみたいに容易く貫かれる。
「――――――、ぁ」
 無駄を漏らした。
投影……開始(トレース     オ ン )
 体に突き刺さった五本を投影してギルガメッシュに放つ。新しい十本がそれをいとも容易く粉々に撃ち砕いた。
「ふむ。これしきの物では倒れぬか。勿体無いが――それなら塵芥にしてくれる」
 ギルガメッシュが自らの手で波紋の広がる空間から引き抜いたのは、縦に連なった三つ円柱。それを解析しようとするが――線の一本すら解らない。
「まさか貴様如きに使うとは思わなかったがな。光栄に身を震わせて死ね」
 三つの円柱が互い違いに回転し、石畳に転がった剣を転がすほどの風を巻き起こしている。毛細血管が破裂した視界のせいか、風は紅い。
 とろりと粘ついた血と唾液を飲み干す。喉が渇いている。あれは別物だ、あれと比べれば今まで出てきた宝具( も の )など数打ちのナマクラにすぎない。思考は点滅して今にも断線しそう。神経( かいろ )は焦げついて今にも止まりそう。この体は滅ぶものの寄せ集めでしかない。
 思考に並んだ撃鉄は二十七、その半数が既に砕けている。血にまみれた拳でなんとか無事の十三を打ちつけた。
「――投影、開始(トレース   オ ン )
 ぶつりと致命的な何かが切れた。
 脳はしわ沿いに深淵までひび割れ、記録、保存、再認の機能が零れ落ちた。あるのは残り僅かのなにかを再生( うしな )い続けるだけ。
 新たに認識することは出来ない。つまり、今まで■■■■■■■が取り出した全てのナマクラを投影するだけがあの圧倒的な暴力への稚拙な対抗方法だ。
 砕けた脳からは意識せずとも設計図が溢れ出す。後は、魔術回路にその設計図を叩き込むだけ――。
 無理矢理百以上の設計図を連続投影するものだから、次々と魔術回路が焼け付いていく。二度と回らないそれはただ空白として残る。
工程完了、全投影連続層写( ロールアウト    ソードバレルフルオープン )――――――!」
 痺れる脳髄に指を先から微塵に刻まれるような痛みが叩き込まれる。こんなものは酷すぎる。こんなものは痛すぎる。こんなものは怖すぎる。
 点滅していた視界が途切れる。後には不確かな地面を踏んで不確かに投影をして不確かに暴れる風を防ぐだけ。
 だから、結末なんて知らない。
 体が先に死のうが精神が先に滅ぼうが関係なかった。何も感じない以上、意味など無いのだから。
 ただ一つ心残りなのは、あの弓兵の眼がどういう意味だったのか、それが判らないこと。
 なんというか、最近ルビ使いすぎだ、気をつけねば。
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  1. 2005/11/11(金) 22:37:06|
  2. 垂れ流し
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

面白いもの見つけた。

Fateでは14、Heavens Feelでは38。
なるほど、確かにUnlimited Blade Worksには該当するタイガー道場はない。
そういう意味では、垂れ流しといえどもなかなかに興味深い文章だと思います。
このルートを追加するならば、十五日目・~帰還・夜/最終決戦前。の選択肢でしょうか。
1.遠坂と作戦を練る。
2.セイバーの様子を見に道場へ。
3.もう一度、よく考えてみる。
3を選んだ場合にこのルートへ移行、というのは欲しかったかもしれません。本当にアーチャーに勝った士郎か? お前はいったい何を見てきたんだ? と思いながらも。
  1. 2006/05/03(水) 10:40:59 |
  2. URL |
  3. 猫G #KD5XUSzs
  4. [ 編集]

ブレス・ユー

コメントありがとうございます。というか初めてコメントを頂いて、嬉しいです。うわー、僕も長くやってれば一つくらいもらえるんだ……!
この作品はわりと理不尽な戦闘BADと言うよりも、士郎がギル戦でUBWを閃かなかったら、というテーマで書いた次第です。
結果こういうことになったんですが、たしかにアーチャー戦が無意味極まりなくなりますね。盲点でした。
猫Gさん、コメントありがとうございました。
  1. 2006/05/04(木) 00:38:58 |
  2. URL |
  3. Shile #OumQaaPg
  4. [ 編集]

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